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絵本「DREAM SNOW」のあらすじや随想

 この絵本について―あったかいストーリーと
          すてきな仕掛け!―

著者:Eric Carle

出版社:Philomel Books 

出版年月日:2000年9月発行

 はじめに

   貼り絵と仕掛けの名人エリック・カールさんの絵本です。
   

   タイトルは“DREAM SNOW”。日本語版では、「ゆめのゆき」(あおきひさこ訳)

   ですが、現在は品切れになってしまい、とても残念です。でも、捨てがたい一冊なの

   で、今も出版されている英語版の方で見ていきましょう。



   表紙には、雪の模様の銀色の粉が貼ってあるので、キラキラ光り、降りしきる雪が幻想

   的です。





 あらすじと随想

   さて、主人公は、小さな農場のおじいさん農夫。飼っている動物たちを愛し、毎

   日、世話をしました。家畜は、片手で数えられる5ひき。名前はOne.Two.

   Three.Four.Five。日本語版では、イチ、ニィ、サン、シィ、ゴー。



   名前が数詞というのは味気ない気もしますが、ユーモアも感じられ、言葉を覚え

   始めた子どもにとって、数に親しみを感じるきっかけになるかもしれません。



   家畜小屋のはずれには、Treeという名の木もあり、そばを通るたびに声をかけまし

   た。

    “Hello,Tree”

   草花や樹木へのあたたかい言葉かけが、その成長に良い影響を与えることは実証

   されていますね。



   ところで、クリスマスが近づいたある夜、おじいさんは、お気に入りの椅子でいねむり

   を始めました。すると夢の中で、雪が降ってきたのです。


  

   “The snowflakes gently covered with a white blanket ”

   「ゆきは しろい もうふで やさしく おおいました」

   この文章は、おじいさんをはじめ、すべての動物たちに繰り返されます。



   雪の毛布に見立てたセロファン紙をめくると、下に隠れた色鮮やかな動物が現われ

   ますが、登場人物ひとりひとりを大切に確認する、この仕掛けのおもしろさ!



   乳児さんなら、「いないいない ばあ」の遊びもできます。



   さて、おじいさんが目をさますと、本当に雪が降った後でした。

   そこで、急いで、木のところへプレゼントを渡しに。もちろん動物たちにもね。その姿

   は、誰かさんに似ています。



   何とうれしいクリスマスでしょう!



 おわりに 

   すばらしいクライマックスは、すてきな音の出る仕掛け!

   きっと何度でもボタンを押して、心うるおう音を聴いてみたくなるでしょう。



   この絵本は、ひとり暮らしのおじいさんが、家族のような動物や木に囲まれ、幸せに暮

   らしている、そのハッピーを分けてもらえるのも魅力です。



   ただこの絵本をもし日本語で読んであげるには、翻訳の必要がありそうですね。



   英語版には、ボードブックとハードカバーの二種類があります。ボードブックには音の

   出る仕掛けが無いので、お買い求めになる時には、よくご注意ください。



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