えほんのいずみ

絵本「ぐりとぐらのおおそうじ」のあらすじや随想

 この絵本について―子どもは遊ぶのが仕事です―

作:中川李枝子

絵:山脇百合子

出版社:福音館書店

出版年月日:2002年2月

出版社による対象年齢:読んであげるなら3才から            自分で読むなら小学低学年から
定価990円(本体900円)

 はじめに


   本書は、多くのファンの皆さんに愛され続けてきたロングセラー『ぐりとぐら』絵本

   シリーズの6冊目に当たります。

   ちなみに、シリーズ(主人公たち以外の新しい登場人物を伴う物語の絵本)を出版順

   に挙げると、1967年1月出版の『ぐりとぐら』に始まり、『ぐりとぐらのおきゃくさ

   ま』、『ぐりとぐらのかいすいよく』、『ぐりとぐらのえんそく』、『ぐりとぐらと

   くるりくら』、『ぐりとぐらのおおそうじ』、『ぐりとぐらとすみれちゃん』です。

   
   本書は、中川李枝子さんの童話集『おひさまはらっぱ』の中の一話「ぐりとぐらの大

   そうじ」を加筆修正し、福音館書店創立50周年記念として絵本化されました。

   大そうじといっても年末ではなく、春の大そうじです。


 あらすじ


   長い冬が終わり、春のにおいとおひさまがいっぱいにさしこむ日のこと、ぐりとぐら

   は朝ごはんを食べている時、家中がほこりだらけなのに気がつきました。

   そこで、ふたりは「きょうのしごとは、おおそうじ!」と決めたのです。

   ところが、掃除道具はすりきれており、使いものになりません。

   ふたりはアイデアを出し合い、奥から穴のあいた服やボロきれを出してきて、体に巻

   きつけ、ぐりが「ぞうきん」になり、ぐらは、「ほうき・はたき!」になることにし

   ました。

   さらに目にはゴーグル、口にはマフラーマスクをして、家中のほこりをとるために、

   部屋の中をすべりまわります。


   

   そこへ来たのは、うさぎのギック!

   ぐりとぐらを見て、「ぞうきんおばけ」と「ほうき・はたきおばけ」だと驚き、うさ

   ぎの友だちに知らせに行きました。


   

   ところが、みんなが来た時には、おばけどころかピカピカのきれいな部屋があるばか

   り!

   そこで、いつものように、にぎやかにおいしいおやつを食べました。



 随想とまとめ


   本書では、ぐりとぐらがめずらしく帽子を脱いだ姿が見られ、野ねずみらしくてかわ

   いいです。


   

   彼らは、双子の兄弟。

   ふたりで住んでいますが、保護者は登場しません。

   保護者がいないので、管理もされず、だれもが対等です。

   しかも、ふたりは、生活習慣や家事など現実に対応できる力も持っています。

   この絵本でも、いつものようにほがらかに、子どもらしい感性と生活の感性を発揮し

   ます。


   

   ちょっと困った状況の中では、自分自身と対話するように、ふたりで話し合ってアイ

   デアを出し、解決していきます。


   

   しかも、課題解決の仕方が、想像力豊かでごきげんなのです。

   その想像力は、子どもこそが持っている遊びの感性。


   

   遊びと共に生活があり、生活と共に遊びがある。

   しかも安全圏が守られている、しあわせなぐりとぐらの絵本は、子どもたちの圧倒的

   な支持を得るだけでなく、おとなの「内なる子ども」をも生き生きさせてくれます。

                            
   

   本書では主人公たちが、

   「おひさま ぽかぽか はるがきて  ほこりも ふわふわ おどりだす

   ぼくらが このよで すきなのは  おそうじすること みがくこと

   ぐりぐら ぐりぐら」

   と歌いながら、自分たちがぞうきんになり、ほうきになって遊んじゃう。

   子ども読者さんにとって、大そうじもおおいに楽しめる絵本です。


   

   長年、保育士をされた中川李枝子さん著の『子どもはみんな問題児』(新潮社)も、

   読んで良かったと思える育児書です。



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