えほんのいずみ

絵本「ちょろりんと とっけー」のあらすじや随想

 この絵本について―夏の冒険と兄弟愛

作:降矢なな

出版社:福音館書店

出版社の読者対象:読んであげるなら 3歳~
         自分で読むなら 小学低学年~

出版年月日:1999年1月20日

定価:990円(本体価格900円)

 
 はじめに


   本書は『ちょろりんのセーター』の続編、夏にふさわしい兄弟の冒険の絵本です。
   
   
 あらすじと随想


   ある日、とかげのちょろりんは、おじさんと従兄弟のちょさりんから「夏休みに遊び

   においで」という手紙をもらいます。ちょろりんは、もう大きくなったので、ひとり

   で行こうと楽しみでした。


   

   ところが、当日、森の中ほどまで行った時、弟のとっけーがついてきたことがわかり

   ました。

   彼は、にいちゃん、ぼくもおじさんの家へ行きたいよ。もう大きいから、ちゃんと歩

   けるし一緒に行ってもいいでしょ?と、いうのです。

   ちょろりんは驚きましたが、じゃあ、にいちゃんのいうことを良くきくんだぞ!と少

   し威張って、とっけーを連れていくことにしました。


   

   しかし、思いがけないことが次々に起こり、彼のせいで大切な地図が川に落ちてし

   まった時には、やっぱり連れて来るんじゃなかったと思いました。

   そのうえ、とっけーが行方不明になり、探しているうちに、ちょろりんは大きなイタ

   チに襲われてしまったのです。


   

   その時、ちょろりんを助けたのは、小さなかめむしのおじさんでした。彼は、迷子の

   とっけーを見つけ、一緒にちょろりんのことも探してくれたのでした。

   子どもたちだけの初めての冒険。

   ふたりは、無事におじさんの家へたどり着けるでしょうか・・・。


   
   
 随想とまとめ


   降矢さんは、内田麟太郎さん作「ともだちや」シリーズで、友情の絵本の挿し絵を数

   多く描かれてきましたが、本書は自作の兄弟愛の絵本です。

   最近、マインクラフトにはまっている6歳の私の孫息子が、珍しく夢中になって読ん

   だ絵本でした。


   

   本書の兄弟による冒険はハラハラドキドキの連続です。

   こっそりついてきた弟に驚きつつも寛容に受け入れた兄でしたが、次々に起こる艱難

   に翻弄されます。

   しかし、さまざまな状況の中で、兄は弟を助け、さらに小さな存在によって助けられ

   ることもあり、ユーモアや励ましが得られるでしょう。


   

   さらに本書の絵は、小動物のとかげの視点から表現されていますので、夏草をはじめ

   匂い立つような自然の豊かさが味わえます。

   とかげの家の調度品なども細やかに描かれ、物語が絵でわかるように展開していきま

   すので、年齢を問わず楽しめるのも大きな魅力でしょう。


   
   

   ところで、降矢さんは1992年から6年間スロバキアのブラチスラヴァ美術大学で絵を

   学ばれました。


   

   その後、スロバキアで結婚され、現在、同地でご家族と暮らしておられますが、東日

   本大震災後に「3.11後の世界から私たちの未来を考える」というテーマで、世界

   の作家に呼びかけ、「手から手へ展」という絵画展を2012年から国内外で開催しま

   した。

   被災した子どもたちが絵によって少しでも心癒やされるようにという、子どもたちの

   未来に向けての願いの込められた巡回絵画展です。


   

   その作品展で降矢さんは大勢の作家さんと力を合わせ、何かを成し遂げていく大きな

   学びが得られたそうですが、これからも自然やスロバキアの生活をテーマにして、子

   どもたちの未来のために、降矢さんならではのメッセージをこめた絵本を創っていき

   たいと考えておられるそうです。


   
   

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