弟へのプレゼントとはいえ、大好きなチョコレートの味見をせずにいられなかった
ジェニー。悪気はなく、次々にチョコレートを食べてしまいます。自分のお小遣いで
買ったのですから、余計に食べてみたい気持ちを抑えられなかったのかもしれませ
ん。
この絵本は、そのような願望や葛藤を、ユーモラスに鮮明に描くことによって、読者
の無意識的な願望をも顕在化させ、ストレスを解消してくれるように思います。
“ひとつしか食べなかったら、おなかの中のこねこもさびしがると思うな”という、
子どもらしい発想から、ジェニーがプレゼントを食べてしまう屈託のなさは、読者の
皆さんのカタルシスにもなるのではないでしょうか。と同時に、読者としては心配
も湧き上がってくるかもしれません。
空っぽのプレゼントの箱を見て、弟はどうするだろうか。それを見ている家族は何と
いうだろうかと、ハラハラドキドキします。しかし、誰も深刻にならず、ジェニーを
責めずに温かく接するからこそ、読者の皆さんが、更なるカタルシスと癒しを得られ
るのではないでしょうか。
そして、何といっても飼い猫ティブルからの思いがけないプレゼントが、最高の救い
になるにちがいありません。
「絵本ナビ」では、朝日新聞の「好書好日」に掲載された本作『こねこのチョコレー
ト』と、画家・大社玲子さんへのインタビューが紹介されています。
本作の絵を描かれた大社さんの画家としてのやりがいやご苦労がていねいに書かれて
いる記事ですので、是非ご覧ください。
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=1537
(絵本ナビ 連載「えほん新定番 from 好書好日」より)
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