「もし、ぼくの誕生日が他の人の誕生日や何かのイベントと重なっても、ぼくの
誕生日のことは忘れないで祝ってほしい!」たいせい君のそうした願いに、読者の
子ども達は大きな共感を示すでしょう。
かけがえのない自分の生まれた日が、誕生日なのですから、きっと自分以外の人に
とっての特別な日、誕生日や公的なイベントがあることも、この絵本を通して理解
することができると思いますし、理解する貴重な機会になるでしょう。
実は、この絵本の作者ほしさんとはご近所だったので、昔からの親しい友人でした。
今回星さんの絵本出版の念願が叶い、この絵本をプレゼントしていただけて、
うれしい思いでいっぱいです。
本書の文体の歯切れのいい話しことば!星さんのパワフルでリズミカルな文章が、ス
トーリィをグングンと進め、子どもたちの柔らかな感性の土壌に豊かな思考力の種を
蒔いてくれます。
ほしさんは、以前、福音館書店の『母の友』(2014年9月号)に「白いストックの
花」という、心にしみるエッセイを書かれました。
その構成も表現力もすばらしかったので、いつか文筆家としても活躍されるだろうと
密かに期待していました。その予感が今回、絵本という形で実を結び、友人として、
これからのご活躍も心から楽しみにしたいと思います。