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絵本「ぼくのたんじょうびはひなまつり」のあらすじや随想

この絵本についてー誕生日はこの世に生まれた幸せを祝う日

作:ほしたいせい

絵:しぶたにゆかり    

対象年齢:児童 

出版社:文芸社 

出版年月日:2025年 3月

価格 1320 円


   
 はじめに


   この絵本は、タイトルから、どんなテーマなのかを思いめぐらしながら、読んで

   いけます。すると、主人公が自分の誕生日は、自分のために、心を込めて祝っ 

   てほしい!という強い願いと悩みを持っている意外性が明らかになるのです。 

   そうした子どもらしい本音の望みがどのように実現されていくか、それがテーマ

   のおもしろくて感慨深い絵本です。温かなしぶたにさんの絵とのコラボも大きな

   魅力 です。


 あらすじと随想


   主人公たいせい君の誕生日は、3月3日。ところが、その日はひなまつりです。

   ある時までは、パパとママにぼくだけのバースデーケーキで祝ってもらえたから嬉し

   かった。でも、いとこのももちゃんが生まれてからは、3月3日に親戚みんなが集

   まって、ももちゃんのひなまつりとぼくの誕生日を一緒にお祝いすることになって

   しまったんだ。だから、何だかつまらなくて、ひな人形にデコピンしたら、ひな人

   形がすごい剣幕で怒った顔になったので、びっくりした!

   でも、やっぱり、ぼくだけのバースデーケーキで祝ってほしいなと思い、ある作戦を

   考えた。ところが、なかなかその作戦はうまくいきそうにもない。

   すると、隣に住んでいる、なうちゃんが教えてくれた。自分の誕生日が何かのイベン

   トと重なって、祝ってもらえない人はたくさんいることを話してくれたんだ。

   さあ、たいせい君の悩みは解決できるでしょうか。
   
   きっと、彼の気づきの深さに驚く大人の読者の方も多いことでしょう。
   
   
   
 随想とまとめ


   「もし、ぼくの誕生日が他の人の誕生日や何かのイベントと重なっても、ぼくの

   誕生日のことは忘れないで祝ってほしい!」たいせい君のそうした願いに、読者の

   子ども達は大きな共感を示すでしょう。

   かけがえのない自分の生まれた日が、誕生日なのですから、きっと自分以外の人に

   とっての特別な日、誕生日や公的なイベントがあることも、この絵本を通して理解 

   することができると思いますし、理解する貴重な機会になるでしょう。

   

   実は、この絵本の作者ほしさんとはご近所だったので、昔からの親しい友人でした。

   今回星さんの絵本出版の念願が叶い、この絵本をプレゼントしていただけて、

   うれしい思いでいっぱいです。

   本書の文体の歯切れのいい話しことば!星さんのパワフルでリズミカルな文章が、ス 

   トーリィをグングンと進め、子どもたちの柔らかな感性の土壌に豊かな思考力の種を 

   蒔いてくれます。 
 
   ほしさんは、以前、福音館書店の『母の友』(2014年9月号)に「白いストックの 
 
   花」という、心にしみるエッセイを書かれました。 

   その構成も表現力もすばらしかったので、いつか文筆家としても活躍されるだろうと 

   密かに期待していました。その予感が今回、絵本という形で実を結び、友人として、 
      
   これからのご活躍も心から楽しみにしたいと思います。
      
   
         
   
      
  

  

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