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絵本「ぐりとぐらのおきゃくさま」のあらすじや随想

 この絵本について―謎解きのおもしろさ―

作: 中川 李枝子

絵: 山脇 百合子

出版社:福音館書店

出版年月日:1967年6月1日

出版社による対象年齢:読んであげるなら 3才から
           自分で読むなら  小学低学年から

定価:990円(本体900円)

 はじめに

   子どもたちに大人気のロングセラー『ぐりとぐら』シリーズの一冊です。

   この絵本は、シリーズの中でも、『ぐりとぐら』『ぐりとぐらのえんそく』『ぐり

   とぐらとすみれちゃん』などと共に人気の高い作品です。



 あらすじと随想

   さて、主人公のぐりとぐらは、森で雪がっせんをしていて、大きな足あとを見つけ

   ました。


   

   いったいだれの足あとなのでしょうか。

   その足あとをつけて、からまつ林までいくと、一軒の家にたどりつきました。



   よく見れば、何と自分たちの家ではありませんか!



   二ひきが「ただいま」と言っておそるおそる中へ入ると、大きな長ぐつ!おきゃく

   さまのまっ赤なオーバーや白いえりまき、まっ赤な帽子もかかっていました。



   だんろの前には、てぶくろとくつした、部屋の隅には、大きな白い袋も!

 

   その時、カステラを焼くいい匂いがしました。


  

   そして赤いズボンをはいた白いひげのおじいさんが、「クリスマス おめでとう」
 
   と、作りたての大きなケーキを持って、現われたのです。



   クリームとチョコレートたっぷりで、まん中にもみの木と天使がかざってある、お

   いしそうなケーキ! 



   でも、その人は、急がなきゃ、遅れちゃう、としたくをして、「では、よい おと


   しを!」と言うと、大急ぎで帰ってしまったのです。



   さて、そのふしぎなおきゃくさまは、いったいだれ?

   そしてあの大きなクリスマスケーキは、どうなるのでしょうか。

   

   ストーリーは、スリルと謎に満ちています。



   「おきゃくさま」といっても、留守宅に入り込んだら、どろぼうと思われても不思

   議ではないのに、お客さま扱いされているということから、特別な存在であること

   が予測できますね。



   そして、不思議な訪問者が、まっ赤なオーバーと赤い帽子で、仕事に出かけようと

   したとき、すべての謎がとけるのです。


   「おきゃくさまとは、だれか?」を、読者の子どもたちのペースで解き明かしてい

   く楽しみが、この絵本にはあふれています。



   背景の少ない絵も、自分たちの家を見てもすぐには気づかない主人公たちの感覚も、

   幼児さんらしい視線の表現ですし、子どもたちを心ゆくまで絵本の世界に遊ばせ、

   楽しませてくれるでしょう。



 おわりに

   ぐりとぐらが、クリスマス前に、この特別なお客さまの訪問を受けたうれしさ!


   クリスマスケーキまで作ってもらった喜びに、きっと読者さんも一緒にハッピーな

   気持ちになれると思います。


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