写実的な絵とセンスあふれる詩的な文章!
主人公は、冬の好きなこねこ。 こねこは、ある夕暮れ、雪が降る前の匂いを感じ、町中に街灯がともるのを外で眺
舞いながら降ってくる粉雪にじゃれて、遊ぶねこ。その様子は、雪の中ではしゃぐ
絵本を通して、雪のイメージを味わえるのも、しあわせな体験ですよね。 さらに、本作では、こねこだけが目撃する不思議な光景があります。 すずの音が大きくなり、サンタクロースがトナカイのひくソリで空を駆けて行くの
見開きいっぱいの迫力に満ちた絵を見ると、子どもたちの目も輝き、「サンタさん
ところで、この頃、絵本の世界は子どもたちにとって、現実以上にみずみずしい現
食事も摂れないほど重い病気のさなかでも、子どもは絵本を楽しみに待っていて、
この絵本では、好奇心に富むマイペースなこねこの動きに、読者の子どもたちは、
『こねこへのクリスマスプレゼントはちゃんとあるのかな』と、心配したりもする
そのプレゼントがどこにあるのかを探すのも、読者の楽しみのひとつでしょう。 本作は、ねこがあたかも生きているかのように表現されているので、画家アン・モー
モーティマーは、ねこを描く現代細密画家の第一人者と言われますが、彼女の絵の
この絵本を読んだあとは、感覚がとぎすまされ、クリスマスを迎える楽しさが増す
ようです。
めていました。すると、とっぷり暮れた空から、雪がひらひらと舞い始めたのです。
子どもたちと同じです。
です。
だ!」と喜びの声が上がります。
実ではないかと思います。
想像力を働かせ、登場人物と一緒に食べる動作をしたり、食べたつもりになってい
るという実話を幾つか伺ったからです。
自分の好奇心を重ねます。
のです。
ティマーファンにも、大人のねこ好きさんにも、はずせない一冊だと思います。
クリスマス絵本は、『サンタクロースのしろいねこ』も、続編の『クリスマスのこ
ねこたち』
この絵本は、どちらかというと静的な作品。
早逝した児童文学作家マーガレット・ワイズ・ブラウンのセンスあふれるストーリー
と、モーティマーのすばらしい絵、中川千尋さんの魅力的な翻訳が、このうえなく
美しいクリスマスの雰囲気を味わわせてくれます。