舞台は、町一番の人気レストランです。登場人物はその厨房で腕をふるうコックさん
たち、そして料理をする時に必ず使うまな板。
ある日、一人のコックが“ヒャア~”と声を上げました。
なんと、まな板が、エビを食べる瞬間を見てしまったからです。
コックはそのことを仲間に話そうとしましたが、誰もが皆、忙しいので、誰も耳を貸
しません。
しかし、店じまいした後、まな板の上に試しにエビを置いてみると、驚くことにやは
り食べたのです。そのうえ、まな板は“あーあ、見つかっちゃった。ぼく、たま~に
おなかの上の食べ物を食べてるの”と白状しました。
さらに、食材ではなく、レストランのできたての料理を食べてみたい。“ねえねえ、
おねが~い”と甘えてきました。
そこでコックは、次の日から皆の目を盗んでは、まな板に料理を少しずつ食べさせま
した。
ところが3か月ほど経つと、まな板があまりに巨大化したので、店一番の料理長に気
づかれてしまったのです。
“おい、その妙にでかいまな板はなんだ?”と。
そこで、仕方なく件のコックが白状すると、料理長は、店のだいじな料理をまな板な
んぞに与えるとは!と、かんかん。“今すぐ、まな板を持って店を出ていけ。”と激
怒しました
“ごめんなさい!ごめんなさい!”とコックが謝ったその時、何と他のコックたちも
“自分もまな板にねだられて、内緒で料理をあげていた。ごめんなさい!”と、皆が
白状したのです。
万事休す!
この後、ストーリィはどんな結末を迎えるでしょうか。是非、絵本で楽しんでくだ
さい。