■ 「保育と人形の会」高田千鶴子さんのアトリエ訪問(2)
人形劇として演じる時のアドバイス
高田千鶴子さんに「ことりん」の実演を見せて頂き、演じるときのアドバイスも教
えて頂きました。
高田さんは、人形は、子どもたちとのコミュニケーションの道具だと言われます。
1.人形のつかい手が、観客の前に姿を現して演じる「出遣い(でづかい)人形劇」の
場合、つかい手の目は、観客を見ないで、人形の頭の後ろに置くと良いそうです。
なぜなら、人形つかいが観客の目を見ると、観客は、つかい手の方を見たらいいか、
人形の方を見たらいいか、どちらに注目したら良いか、迷ってしまうでしょう。
2.指の先のことりんを手にして演じる時のコツは、「ことりん」にしゃべらせな
いこと、人形のつかい手として話すことが必要だそうです。
×「ぼく、森から飛んできたの」
×「今、おなかがすいているんだ」
など、ことりん役で会話をしないように気をつけましょう。
むしろ、ことばにメロディをつけて、問いもこたえも詩的に表現すると良いで
しょう。
たとえば、手のひらに「ことりん」が止まる動作をしながら、次のような歌いやす
い歌を子どもと一緒に歌うと、「ことりん」がとても身近に感じられ、あたたかい
雰囲気になります。
高田千鶴子さんが、自作による「ことりん」という歌を教えてくださいました。
子どもが遊びの中で、「ことりん」を使う場合
(以下は、ネッカおばあちゃんの加筆です。)
子どもは遊びの中で、本物のかわいい小鳥のような「ことりん」を指にはめ、自由
に空を飛べる小鳥役を演じたがります。そのような時には、心ゆくまで小鳥役の会
話を楽しませてあげると良いでしょう。
たとえば、子ども自身の遊びによる実践例ですが、
「わたしね、ことりん。おいしい木の実は、どこにあるかな?」
「わたしね、かなりん。迷子になって、おうちがみつからないの。」
「わたしはね、ぴよりん。
これからいっしょに、おいしいきのみと、かなりんのおうちをさがしにいきましょう。」
それぞれの子どもが小鳥役を演じながら、いろいろな状況設定をして、想像力豊か
な遊びを展開していきます。
遊びの中でも、「ことりん」の歌が歌えます。
飛びながら歌うと、遊びがより楽しくふくらむきっかけにもなります。
高田千鶴子さんのアトリエでのインタビューを終えて
ポジテイブであたたかいお人柄の高田さんのアトリエは、陽だまりのように居心地
が良く、日々さまざまな活動に用いられて、千客万来です。
私もつい長居をさせていただいてしまいました。
このインタビューに登場する色々な人形については、
「保育と人形の会」のホーム
ページでごらんください。